3日午前0時10分ごろ、札幌市北区、会社役員、阿部芳彦さん(76)が、自宅で遺体で発見された。道警は殺人事件と断定し、札幌北署に捜査本部を設置した。
司法解剖の結果、阿部さんの死因は首を圧迫されたことによる窒息死で、1日ごろ死亡したとみられる。額から出血していたほかに大きな外傷はなかった。
道警によると、阿部さんが利用していた食事宅配サービスを提供するコンビニエンスストアから「弁当を数日間受け取りに来ていない」との連絡を受けた長男と孫が安否確認に訪問。住宅兼店舗2階居室の床に倒れている遺体を発見し、110番した。室内を荒らされたような跡はなかった。
阿部さんは札幌市内でコンビニを2店舗経営する会社の役員。近隣住民によると、以前は自宅の1階で、商店やコンビニを経営していたが、数年前から他の業者に貸していた。妻は入院中で、1人暮らしという。
8月下旬に敬老会の案内で阿部さんを訪ねた町内会役員の男性(72)は「足が悪くて敬老会は遠慮されたが、変わった様子はなかった。明るくて腰の低い人柄」と話す。近所に住む女性(77)は、1カ月ほど前に自宅前を掃除する阿部さんとあいさつを交わしたといい、「いつもニコニコしていて親切。恨まれるような人ではない」と驚いた様子だった。【源馬のぞみ、高橋由衣】