ヒガンバナ満開なのに…荒川の「穴場」刈り取り 河川事務所「配慮難しい」

各地でマンジュシャゲ(ヒガンバナ)が見ごろを迎える中、「穴場」とされるさいたま市桜区の大久保浄水場に近い荒川土手でここ数年、最盛期の花が刈り取られてしまう事態が続いている。枯れ草を集める作業と重なるためで、住民らは「花の時期に配慮してほしいが……」とやるせない様子だ。
この群生地は、土手に面した八島(やつしま)ニュータウンの住民たちが手入れをして秋の楽しみにしてきた。住民の高齢化もあり、約5年前から枯れ草の収集などを管理者の関東地方整備局荒川上流河川事務所に任せるようになったが、一昨年ごろから収集と花の時期が重なり、花が刈り取られるようになったという。
住民の70代女性は「この年で楽しみといったら、これくらいしかないのに。何とかならないか」と嘆く。
同事務所は「枯れ草収集は本来しないが、都市部では住民からの苦情もあり行っている。(花の時期への配慮は)業者が対応できるならよいが、戸田市から桶川市まで作業範囲が広いため、個別の配慮は難しい」と説明している。【山越峰一郎】