群馬・豚コレラ陽性 13養豚場を「監視対象」に 県、立ち入り検査へ

群馬県は4日、藤岡市と上野村で捕獲された野生イノシシ計2頭が、国の行った家畜伝染病「豚コレラ」の遺伝子検査で陽性だったと発表した。同県での感染が確定したのは初めて。昨年9月に岐阜県で豚コレラ感染が確認されて以降、関東地方では埼玉県に続き2県目、全国で10県目。
2頭のイノシシが捕獲されたそれぞれの地点から半径10キロ圏内には13カ所の養豚場があり、計約7900頭が飼育されている。感染の確定で13カ所は「監視対象農場」となり、県は立ち入り検査で飼育豚の異常の有無などを確認する。
群馬県は猟友会から県内で捕獲されたイノシシ10頭の血液提供を受け、3日、ウイルスの抗体検査を実施した。藤岡市高山で9月28日捕獲のメス(体長約1メートル)から陽性反応が検出し、10頭すべての血液の遺伝子検査も行ったところ、藤岡市のイノシシと、抗体検査で陰性だった上野村新羽で9月26日捕獲のメスのイノシシ(同約75センチ)に陽性反応が出た。
国は4日、県から持ち込まれた検査材料について遺伝子解析を行い、2頭の感染を確定した。
飼育数が全国4位、関東最多
群馬県の飼育豚頭数は、全国4位の約63万頭で関東地方では最多。今回イノシシの見つかった藤岡市は埼玉県に、上野村は埼玉、長野両県に接しており、両県とも飼育豚や野生イノシシから感染が確認されている。群馬県は国に対し、全国一律に豚コレラワクチンの接種を行うよう要望している。【西銘研志郎】