北海道内で急増する特殊詐欺の被害。「偽の逮捕状」が届き多額の現金をだまし取られた札幌市の男性が、その手口を語りました。
被害男性)
「非常にショックを受けている…老後のための資金だったのがなくなったという。ことで…」。
札幌市中央区の70代の男性。老後のために貯めていた現金およそ370万円をだまし取られてしまいました。
ことの発端は先月中旬。1人暮らしの男性のスマートフォンに、警察官を名乗る人物から突然、電話がかかってきました。
警察官を名乗る男性)
「国際マネーロンダリング事件であなたの口座が利用されている。自宅に逮捕状が届いているから確認してほしい」。
被害男性)
「玄関に出てみてくださいというので出てみると、長い角封筒が(ポストに)入っていて、それを開けると逮捕状(が入っていた)」。
男性に届いた偽の逮捕状自宅に届いた「偽の逮捕状」。東京地方裁判所の裁判官の名前や印鑑も押されていました。
被害男性)
「初めて見るのでこれが本物かどうかはこっちは全く(見分けが)つかない。完全にパニックになっている段階で相手を疑うというよりは懸命に自分の無実をどうやって証明したらいいのか、そちらの方まで話が行ってしまった」。
その後も警察官を名乗る複数の人物から何度も電話があったと言います。
警察官を名乗る人物)
「お金が犯罪に使われているかチェックするので全額を振り込んで欲しい」。
男性は4回にわたっておよそ370万円を指定された口座に振り込んでしまいました。その後も振り込みの要求が続いたことを不審に思った男性が警察に相談し事件が発覚しました。
被害男性)
「今回の事件のショックというものがいまだに残っていてよく眠れない。フラッシュバックする。日中も食事が細い。電話に対しての恐怖症がだんだん出てきた。(相手には)怒りとかそういう心境しかないですね、こんなやり方はやめてほしい」。
「中央警察署です。詐欺にどうか気をつけてください」。
巧妙化する詐欺の手口に止まらない被害。道警によりますと、去年1年間の特殊詐欺の被害額はおよそ7億7000万円。今年も先月だけですでに46件あわせておよそ8000万円の被害が出ています。
札幌西警察署 前田高伸生活安全課長)
「いつどこで誰が犯人から電話ががかかってくるかわかりませんので、日頃から詐欺の手口について関心を持って欲しい。手口を知れば詐欺に気付き易くなると思いますので気にしてほしい」。