「ネットで『グレー』信じた」賭け金5千万円超の吉本タレントも 賭博容疑で6人書類送検

吉本興業の所属タレントを巡るオンラインカジノの問題で、賭博をしていたとみられるタレントが警視庁の調べに、「ネットで『グレー』と書かれているのを見て信じてしまった」などと話していることが3日、同庁への取材で分かった。警視庁保安課は同日、賭博の疑いで、吉本興業の所属タレント6人を書類送検した。いずれも容疑を認めており、同課は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
書類送検されたのは、「ダイタク」吉本大(40)、「9番街レトロ」なかむら★しゅん(31)、「プリズンクイズチャンネル」竜大(31)と最強の庄田(35)、「ダンビラムーチョ」大原優一(35)、「ネイチャーバーガー」笹本はやて(33)の各メンバー。匿名の情報提供を受けて、同課が任意で事情聴取するなどの捜査を行っていた。
書類送検容疑は、令和5年1月~6年12月、それぞれスマートフォンなどで国内から海外のオンラインカジノサイト「スポーツベットアイオー」「エルドアカジノ」などにアクセスし、バカラなどの賭博を行ったとしている。
同課によると、うち1人は4年から利用を始め、約2年半で総額約5100万円を賭け、約1200万円の損失を出していた。利益を得たのは1人のみで約1万円で、他の5人はそれぞれ約90~1200万円を失っていたという。「会社から給料を前借りしていた。ギャンブルで数千万円の借金を負っていた」
と話す者もいた。
6人は出演する劇場の待ち時間や移動中などに賭けており、「YouTubeで配信されていたオンラインカジノの実況動画を見て興味を持ち、始めた」などと話しているという。
オンラインカジノは海外で合法に運営されているものでも、日本からアクセスして金銭を賭ければ違法。昨年は全国で過去最多の計279人が摘発されている。警察庁の調査では、国内の利用経験者は推計約337万人、年間の賭け金総額は推計約1兆2423億円に上る。