オンラインカジノ規制強化へ、サイト開設や誘導広告を禁止…今国会での法案提出で与野党が合意

与野党は15日、違法なオンラインカジノの規制強化に向けた実務者協議を国会内で開き、ギャンブル等依存症対策基本法改正案を今国会に提出することで合意した。カジノサイトの開設や運営を禁止することなどが柱だ。月内にも、衆院内閣委員会の委員長提案で法案は提出される見通しで、今国会で成立する公算が大きくなった。
改正案は、カジノサイトの開設・運営のほか、カジノサイトに誘導する広告掲載、SNSなどでのカジノサイトへの誘導行為を禁止する。現在は「抜け穴」とされるこれらの行為を違法化し、警察などから要請を受けた情報通信事業者が広告や投稿を削除しやすくする狙いがある。
政府や地方自治体がオンラインカジノは違法だと周知する広報、啓発に取り組むことも盛り込まれた。ただ、罰則規定はなく、実効性の確保が課題となる。
この日の協議には、自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主、共産、れいわ新選組、有志の会の8党・会派の実務者が出席した。自民、公明、立民の3党がまとめた改正案について、今月末までに各党派内での手続きを済ませ、速やかに委員会に提出することを確認した。
オンラインカジノを巡っては、総務省も抑止策を検討する有識者会議を4月に発足させ、カジノサイトへの接続を強制的に遮断する「ブロッキング」の実施に向けた検討を始めている。
海外では認められているオンラインカジノも、国内から利用すれば、刑法の賭博罪に当たる。警察庁が3月に公表した調査結果では、違法なオンラインカジノの経験者は国内で約337万人、年間の賭け金総額は約1・2兆円に上る。経験者の31%が20歳代、27%が30歳代で、違法と知らずに利用する人も多く、対策が急務となっている。