飲酒を理由に退学を強いられたのは違法だとして、東京都内の私立高校の元女子生徒(18)が、同校を運営する学校法人と当時の校長に慰謝料など約240万円の賠償を求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であった。中村心裁判長は「飲酒が退学とすべき悪質なものとは言えず、著しく均衡を失している」と述べ、学校側に約66万円の支払いを命じた。
判決によると、元女子生徒は1年生だった2022年8月、友人の家で飲酒し、その様子を撮影した動画をSNSに投稿した。同校は退学を勧告し、元女子生徒は自主退学した。訴訟で同校側は、集団での飲酒は常習化を招いて他の生徒への影響を無視できず、処分は相当だと訴えていた。
判決は、飲酒は非難に値し、SNS投稿が学校秩序に及ぼす影響も低いとは言えないとしつつ、直ちに学外に排除するほど悪質とは言えないと指摘。停学など他の処分を検討しなかったとして、「学校の裁量権を乱用する違法なものだ」と結論付けた。