「やっぱり…」無人ジム・チョコザップで盗難多発…「防犯カメラは機能してるの?」「マシンの上で寝る人も」利用者の不満の声、運営会社の回答は…

気軽に通える無人ジムとして人気を博している「chocoZAP(チョコザップ)」。一部の店舗を除き24時間営業、月額2980円(税抜)で通いたい放題の低価格帯ジムだ。安価であることに加え、筋トレライトユーザーの中には無人だからこそ気軽に通えるという人も多い。しかし、無人営業を逆手に取った盗難事件が多発している。今月7日には大阪市の店舗で女性のカバンを盗んだとして大阪府内の少年が(18)が窃盗容疑で逮捕された。府警によると今年に入り府内のチョコザップで同様の被害が約70件確認されているという。
【画像】機能していないのか? AI防犯カメラが無数に設置されているチョコザップ
「ジム活」と称して盗難を繰り返していた少年ら逮捕
2022年7月に「RIZAP(ライザップ)」グループがブランド展開を開始したチョコザップはわずか1年で全国1000店舗を超え、今年2月時点で約1800店舗、会員数は133万人を超えるまでになった。
月額2980円で気軽に通えることが人気の秘訣だが、人件費のコストを抑えるため無人営業が基本だ。都内のチョコザップを利用する30代男性が語る。
「私は主に東京都の施設を利用することが多いのですが、基本的に荷物棚に鍵はついていません。なので、運動に集中している間にさっと荷物を持っていかれたらすぐには気づかないと思います。
冬場などはアウターを男女共用のハンガーラックにかけるだけなので、ブランド物などであれば、それも持ってかれそうだなって以前から思っていました」
今回の相次ぐ盗難事件の発覚で、この懸念が現実のものであることが明らかになった。
4月15日、大阪市中央区のチョコザップに30代の女性が仕事帰りに寄り、カバンを荷物棚に置いていた。しばらくして荷物棚を女性が見ると、カバンが棚から消えていた。カバン自体は店外に投げ捨てられていたが、中に入っていた財布から現金約67000円が抜き取られていたという。
無人ジムを狙ったこうした事件は大阪以外でも起きており、京都市内の少年2人は盗難目的でジムを狙うことを「ジム活」と称し、現金や衣服を京都、東京、奈良で盗んで逮捕されている。
「はっきり言ってセキュリティについてはザル」
都内在住の利用者の40代男性は、チョコザップのセキュリティ体制について苦言を呈する。
「窃盗事件の報道は見ました。はっきり言ってセキュリティについてはザルだと思いますよ。アプリから入館用のQRコードを表示するのですが、このコードは簡単な方法で第三者とも共有できてしまいます。やろうと思ったら会員以外の人でも入れてしまうのではないかと」
この40代の男性によると、チョコザップ内に設置されているAI防犯カメラに関しても本当に機能しているのか疑問とのことだ。
「ここ最近はあまり見なくなりましたが、都心の施設で明らかに運動目的ではないと思われる人を一時期よく見かけました。雨風をしのぐためだけに来た人とか、お風呂に入らない独特な臭いのする人がただただ休んでいるだけ。
それこそマシンに座って寝ている人もいましたが、誰かが注意をしに来ることもなく、ずっと放置でしたしね。防犯カメラはついているのですが、本当に機能しているなら従業員が来ると思うんですけどね」
chocoZAP運営会社「鍵付きロッカーはトラブル対応が難しい」
ここまでは利用者の声を聞いたが、実際のセキュリティについてチョコザップを運営する「RIZAPグループ」にも尋ねてみた。
――全国約1800店舗あるチョコザップの荷物棚には施錠設備はないのか?
基本的にchocoZAPは無人での運営をしておりますので、鍵付きのロッカーですと、鍵の紛失や故障などがあった際にその場ですぐ対応できない為、施錠設備のない棚を設置しております。
――入館時に使用するQRコードは、1人がアプリに登録して複数人で使いまわすのが可能か?
会員様のchocoZAPアプリ内には、入退館用の二次元コードが表示されますが、使い回し防止のため、一定の時間ごとに新しい二次元コードに更新され、古いQRコードは使用できなくなるシステムになっております。
――店舗内にAIカメラを設置しての無人営業で、店舗内に異変があった場合どのような対処をとるのか?
検知した内容に応じて、従業員による対応、警察や消防、救急との連携等、必要な対応をしております。
――今回の事件を受けて、今後変更される点はあるか?
防犯カメラは現時点でも死角がないように設置しておりますが、特にお客様が荷物を置く棚の周辺には、追加でカメラを設置したり、他の場所から移動させる等して、より多くの防犯カメラを設置することで、犯罪抑止力の強化に繋げてまいります。
また、貴重品はお客様自身で管理いただくようにお願いをしておりますので、ジム利用中に貴重品を持ち運べるカゴを新たに設置することで、お客様がより安心して快適にご利用いただける環境を整備してまいります。
――運動目的以外で寝泊りするなど長時間施設を使用する人がいるという声もあるが、そういった利用客はどう対応するのか?
他のお客様のご迷惑になるような行為をされた利用者がいた場合、防犯カメラ等で事実確認を行った上で、必要に応じて適切な措置を講じております。
スキマ時間に着の身着のままで通えるコンビニジムとして台頭してきたチョコザップだが、仕事帰りだからこそ財布も貴重品も持ったままという人も多いだろう。
もちろん、他人の持ち物を盗む行為が悪いということは言うまでもないが、今回のような盗難事件が相次ぐ中で、貴重品は目の届くところに置くなど、利用者側のセキュリティ意識も大切だ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班