航空自衛隊の「T4」練習機が愛知県小牧市の小牧基地を離陸した直後に池に墜落した事故で、中谷防衛相は16日の閣議後記者会見で、現場周辺の捜索で「エンジンと推測されるものを確認した」と明らかにした。搭乗していた男性隊員2人が行方不明のままで、自衛隊は約600人態勢で捜索を続けている。
事故機は14日午後、所属する新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県)に向けて小牧基地を離陸した約2分後に、愛知県犬山市の入鹿(いるか)池付近でレーダーから消えた。
中谷氏によると、15日までの捜索でエンジンや機体、タイヤ、座席のそれぞれの一部とみられるものが相次いで見つかった。
T4は1988年から運用が始まった機体で、事故機を含む約3分の1の機体には、高度や速度などの飛行データを記録するフライトデータレコーダー(FDR)がついていなかった。中谷氏は「事故を踏まえ、(FDRを)搭載する作業を加速するよう指示した」と語った。
空自は当面の間、T4の飛行を見合わせている。同型機は曲技飛行隊「ブルーインパルス」でも使用され、全国で毎年20回ほど展示飛行が行われているが、中谷氏は安全が確認されるまで、同隊の飛行は行わない方針を示した。