厚生年金パートら加入拡大 「106万円の壁」撤廃

政府は16日、パートらの厚生年金加入拡大を柱とする年金制度改革法案を閣議決定し、国会に提出した。働く時間を抑制して保険料負担を避ける「106万円の壁」を撤廃。労働時間が週20時間以上なら年収を問わず厚生年金に加入する。将来の年金額が手厚くなる半面、保険料負担で手取りが減るため、支援策を導入する。働く高齢者への給付拡充、高所得者の保険料引き上げも盛り込んだ。
全ての国民が受け取る基礎年金(国民年金)の底上げは見送ったが、立憲民主党は盛り込むよう修正を求める方針。20日の衆院本会議で審議入りする。法案提出は2カ月遅れで、6月22日の会期末まで審議時間が限られる中、与野党が折り合って成立にこぎ着けられるかどうかが焦点となる。
政府は当初、3月中旬までの提出を目指したが、夏の参院選への影響を懸念した自民党内の意見集約が難航した。
厚生年金加入の年収要件(106万円以上)は法成立後3年以内に撤廃。企業規模要件(従業員数51人以上)も2027年10月から段階的に緩和し、35年10月に撤廃する。