埼玉県を訪問中の天皇陛下は25日、秩父市と小鹿野町にまたがる秩父ミューズパークで開かれた第75回全国植樹祭に出席された。式典で陛下は「森林を大切にし木の循環利用を進めながら健全な森林を育み、未来へと引き継いでいくことは私たちの使命である」とおことばを述べ、花粉が少ないスギやトチノキなどの苗木を植えた。
式典前には秩父神社を訪問。伝統芸能「小鹿野子ども歌舞伎」を演じるかみしも姿の女児2人が「埼玉県知事に成り代わりまして」と歓迎の口上を披露すると、陛下は「素晴らしい口上、どうもありがとう」と笑顔で声をかけていた。
境内では国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産「秩父夜祭」で使われる高さ16メートルの笠鉾や屋台を見上げ、どのような木で作られているかや後継者の育成に向けた取り組みについて質問していた。【柿崎誠】