「まさか軽トラが」…ランクルやプリウスだけじゃない盗難被害、無施錠多く海外密輸の可能性も

プリウスやランドクルーザーなどトヨタの人気車種だけでなく、軽トラックの盗難が近年、茨城県内で相次いでいることが、県警への取材で分かった。今年も5月末時点で14台(暫定値)の被害が確認されているという。農作業中や自宅で無施錠のままにしたことで盗まれるケースが多く、県警は車の部品が海外に密輸されている可能性もあるとみて注意を呼びかけている。
「まさか、軽トラックが狙われるなんて」。今年2月にスズキの軽トラック「キャリイ」を盗まれた龍ヶ崎市羽原町の男性会社員(64)は驚きを隠せない。
男性の車は自宅の納屋に駐車していたが、鍵は納屋の壁にかけたままだった。朝、車を見に行くと鍵と車がすっかり消えていた。車はその後、近くの水田に乗り捨てられていたのを県警が発見したという。男性は「盗まれて不便な日が続いた。今は鍵の保管に気をつけている」と話した。
警察庁の昨年1年間の自動車盗の統計では、ランドクルーザーやプリウスなど人気車が被害台数の上位を占めるが、10位までには軽トラックのダイハツ「ハイゼット」やキャリイが入っている。
県警によると、県内の自動車盗は県警の広報や対策の広がりが効果を生み、前年比で48台減少したものの、計567台と依然高い水準が続く。中でも昨年1年間に発生した軽トラックの被害台数は23台に上り、今年も同様のペースだ。県警幹部は「無施錠のまま放置されていたものが多数あった」と説明。軽トラックは別の犯罪に利用されたり、部品が海外へ輸出されたりする可能性があるという。
県警は防犯メールなどで、施錠に加え、ハンドルやタイヤのロック、防犯カメラの取り付けなどの対策を徹底するよう促している。