大阪・関西万博の海外パビリオンを巡り、建設費の未払いトラブルが相次いでいる問題で、マルタ館の建設に参入した1次下請け会社の男性が13日、大阪市内で記者会見し、悲痛な思いを吐露した。同社は元請けの外資系イベント会社を相手取り、未払い分の建設費など計約1億2千万円の支払いを求めて提訴している。
「戦場と化した現場だった」
男性はこう語り、「本当に24時間、不眠不休で、睡眠も食事もまともにとれない過酷な状況で働いた」と訴えた。工事終盤は自宅に帰れず、風呂にも入らず、現場に泊まり込んで作業したという。
「私たちはそこまでして開幕に間に合わせたという自負がある」と強調した。それでも元請け側からは、未払いの理由として「指定された期日までに間に合わなかった」「クオリティーが悪い」などと告げられたという。
会見には中国館の建設に関わった2次下請け会社社長の男性も同席し、追加工事費約3700万円が未払いだと明らかにした。元請け側から1次下請け側への約1億1千万円の未払いが影響したと訴える。
未払いトラブルを巡っては5月、アンゴラ館の工事に参入した4社が費用回収などを目的に「被害者の会」を設立した。同会によると、アンゴラとマルタ、中国の計3カ国の工事だけでも、約150人が費用の支払いを受けることができていないという。