化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件を巡り、鈴木馨祐法相は24日の閣議後記者会見で、東京高裁判決が検察の捜査を違法と認定したことについて「真摯(しんし)に受け止め、関係者の皆様方に多大なご負担をおかけしたことをおわび申し上げたい」と謝罪した。
事件では、警視庁の鎌田徹郎副総監と東京地検の森博英公安部長が20日に同社を訪問し、大川原正明社長(76)と島田順司元取締役(72)に対面で謝罪した。だが、違法捜査の過程で亡くなった元顧問の相嶋静夫さん(享年72)の遺族は同席を拒否。大川原側の弁護士を通じ、第三者を検証チームに入れることなどを求める要望書を手渡した。
最高検は次長検事を責任者として捜査の問題点を検証し、結果を公表するとしている。鈴木法相は会見で「検察当局が要望書の内容を踏まえ、適切に対応されると承知している。強い関心を持って注目していきたい」と述べた。【三上健太郎】