鹿児島県トカラ列島近海で6月21日から地震が続いています。福岡管区気象台が30日午前11時に発表した地震解説資料によると、6月30日午前10時までに震度1以上を観測した地震は654回に達し、このうち震度4を十島村の悪石島で観測する地震が9回、震度3を観測する地震が41回発生しています。
地震解説資料の発表後、30日12時36分にトカラ列島近海で地震があり、悪石島で震度4の揺れを観測しました。地震の規模を示すマグニチュードは4.5と推定されます。奄美市でも震度1の揺れを観測しています。これで震度4の地震は合わせて10回となりました。
気象台は、「震度1以上を観測する地震の回数は増減を繰り返し、地震活動は継続している」として、当分の間、強い揺れを伴う地震に注意するよう呼びかけています。
続く地震活動の状況 654回に 震度4が9回
今回の地震活動は6月21日午前5時頃から小宝島付近で続き、30日午前10時までの観測では、震度4の地震が9回、震度3が41回、震度2が161回、震度1が443回発生しています。
22日12時12分のM4.5、23日午前0時15分頃のM3.6、23日午後11時36分頃のM5.0、24日午前2時23分頃のM4.9、24日午後4時4分頃のM5.0の地震など22日から30日にかけて震度4を合わせて10回観測しています。
増減を繰り返す地震 日ごとの回数
地震の発生頻度を日別に見ると、22日には119回、23日には183回、24日には68回、25日には69回の揺れを観測しています。26日には15回、27日には16回と減少したものの、28日には34回と再び増加し、29日には94回を観測しました。30日には午前10時までに28回の地震が観測されています。
短い期間で多くの地震
気象台の分析では、トカラ列島近海でおきた最近の主な地震活動と比べて、今回の地震活動は、短い日数で多くの地震が起きているのが特徴です。最初に震度1以上を観測した地震からの経過日数と、地震の積算回数を示したグラフでは、10日間で2023年9月の地震が350回程度、2021年12月の地震が300回程度だったのに対し、今回の地震は9日間で650回以上と、突出して多くなっています。
過去にも繰り返す トカラ列島近海の地震活動 2021年には震度5強
福岡管区気象台の資料によると、トカラ列島近海では過去にも同様の地震活動が複数回確認されています。
直近では2024年6月18日から20日にかけても地震活動が続き、震度1以上を観測した地震が16回発生しました。(震度3:3回、震度2:4回、震度1:9回)
より活発だったのは、2023年9月で、9月30日までに震度1以上を観測した地震が346回(震度4:2回、震度3:25回、震度2:82回、震度1:237回)観測されています。この時の最大規模の地震は、9月11日午前0時1分に発生したマグニチュード5.3の地震でした。
地震に備えを
福岡管区気象台は「当分の間、強い揺れを伴う地震に注意してください」と呼びかけています。