今年4月、愛知県を拠点とする匿名・流動型犯罪グループ「ブラックアウト」のメンバーらが大阪・ミナミの宗右衛門町に凶器を準備して集まったとして逮捕された事件で、大阪府警は4日、特定抗争指定暴力団の山口組、弘道会傘下の三重県にある組事務所に家宅捜索に入りました。
午前10時前に事務所前に集まったのは捜査員ら約30人。シャッター前で「大阪や!」などと声をかけ、約10分後に事務所内に入って行きました。
「ブラックアウト」をめぐっては、グループの首魁でフィリピン国籍のタキワキ・マサキ・ラサイ容疑者(21)ら複数のメンバーが、今年4月28日の深夜、大阪ミナミの宗右衛門町に駐車中の車内で、花火様のもの、竹刀、木製バット、金属バット、斧、バール、金槌、金属製パイプ、スタンガン、催涙スプレー、模造刀、木刀などの凶器を準備して集まるなどした疑いですでに逮捕されています。
「ブラックアウト」は大阪のトクリュウグループと金銭トラブルになっていたとみられ、タキワキ容疑者はSNSを通じてメンバーを集めていて、敵と味方の判別をするために、白色の養生テープを配って、足や腕に巻くように指示をしていたということです。
その後の捜査で、山口組弘道会の傘下組織が「ブラックアウト」の後ろ盾になっているとみられることから、今回の家宅捜索に踏み切ったということです。
警察は両者の関係性について実態解明を進めています。
●「大阪府警に逮捕され 将来を考えた」解散届を提出
「ブラックアウト」は、去年9月に結成され、末端メンバーを含めると構成員は100人規模だったとみられていますが、これまでに14人のメンバーが逮捕されています。
こうした状況の中、首魁のタキワキ容疑者は、先月10日付けで大阪府警と愛知県警に解散届を提出したということです。
解散届は公的なものではありませんが、「これまでさまざまな違法行為を繰り返してきた。今回、大阪府警本部捜査第四課に逮捕されたことで、メンバーの将来を考えると、本日付で解散することとした」などと書かれていたということです。
大阪府警は「今後もブラックアウトの動向を注視していくとともに、徹底して捜査を進めていく」としています。