4議席巡り当落線上に複数候補、神奈川選挙区に与野党党首が続々…猛暑の中で応援合戦

参院選(20日投開票)が公示されて最初の週末となった5、6日、神奈川選挙区(改選定数4)には、石破首相(自民党総裁)ら与野党の党首が相次いで候補者の応援に訪れた。連日の猛暑の中、物価高対策や減税、政権への評価などを争点に熱い論戦が繰り広げられた。
「大変な逆風。厳しい中にあって、私たちはやらねばならないことを必ず実現する。それが自民党だ」
6日午後、横浜市都筑区の市営地下鉄センター南駅前で強い日差しが照りつける中、石破首相は集まった聴衆に訴えた。首相は約1時間後、同市中区のJR桜木町駅前で行われた公明党の街頭演説にも姿を現し、「公明党と共に強い経済、豊かな暮らし、揺るぎない日本、この実現のために日々戦っている」と自公連携を強調した。
同駅前で首相と並んだ公明党の斉藤代表は「神奈川選挙区、大変厳しい状況にある」と情勢を危惧。2027年に横浜市で開催される国際園芸博覧会に触れ、「石破総理に開会式に来てもらおう」と政権の継続を呼びかけた。斉藤氏は5日も大和市で演説を行った。
同駅では5日午前、立憲民主党の野田代表も演説に立ち、物価高対策について「実質賃金のマイナスが続いているのに、石破政権は何もやってない」と批判。ガソリン暫定税率を「(参院でも)少数与党に追い込めれば廃止できる」などと述べた。
日本維新の会の前原共同代表は5日夕、横浜市青葉区の東急田園都市線たまプラーザ駅前でマイクを握り、「企業団体献金を受けない、本物の改革ができる唯一の政党だ」と支持を求めた。吉村代表は9日に川崎市を訪れる予定という。
共産党の田村委員長は6日午後、横浜市港南区の京急線上大岡駅前で「消費税を5%に減税し、その先で廃止を目指す。これこそが最も効果的な物価高騰対策だ」と声を上げ、財源には大企業や富裕層に応分の負担を求める考えを示した。
国民民主党の玉木代表は6日昼、センター南駅前で演説した。「まずは手取りを増やす。消費が増え、企業の売り上げが伸びれば持続的な賃上げにつながる」とし、「現役世代を徹底的に応援し、強い日本経済を取り戻そう」と呼びかけた。
れいわ新選組の山本代表は6日、社民党の福島党首は5日、それぞれ県内で街頭活動を行った。参政党の神谷代表は公示日の3日、川崎市で演説に立った。
読売新聞社の序盤情勢調査では、神奈川選挙区は4議席を巡って当落線上に複数の候補が並ぶ激戦の様相を見せている。各陣営は今後も党幹部ら多くの応援弁士の県内入りを調整しており、支持拡大を図りたい考えだ。