万博の空で舞うブルーインパルス 華麗な飛行技術に「すごい」と歓声や拍手

大阪・関西万博の会場(大阪市此花区)の上空で航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が12日午後3時ごろ、展示飛行の再挑戦を果たした。煙幕で美しい飛行軌跡が描かれていくと、空を見上げた万博来場者たちは「すごい」と歓声を上げ、華麗な飛行技術を披露したパイロットたちに盛大な拍手を送っていた。
開幕日の4月13日に予定されていた展示飛行は悪天候のため中止になっていた。それだけに開始前から期待は高く、大屋根リング上は混雑防止のため、立ち入り制限がかけられた。
展示飛行開始の3時間前からリングに上り、カメラを準備していた大阪市大正区の会社員、坂本浩務さん(51)は「ジェットエンジン音は1回聞くと、もう1度聞きたくなる迫力。連写でいい写真をねらっていきたい」と語った。
午後3時ごろ、南の空から機体が現れると大きな歓声。煙幕を出しながら、会場をぐるりと1周。2機の機体でハート形を描いたり、ダイヤモンド形に並んだ編隊飛行など次々と見せていた。
すばらしい展示飛行に機体に向かい手を振ったり、拍手を送ったりする来場者も多く、最後は5機の機体が煙幕を扇形に広げて締めくくった。
家族で万博に訪れていた川崎市中原区の小学6年、尾嶋広偉(ひろより)くん(11)は「万博に来る楽しみの1つだった。すごい迫力だった」と笑顔をみせた。
フランスパビリオンの入場待ちの列に並んでいる間に観賞できた大阪府岸和田市の会社員、菅秀美さん(25)は「機体をひねりながら飛ぶ姿はかっこよかった。タイミングよく見れてよかった」と喜んだ。
大屋根リングの立ち入り規制直前に上れたという堺市北区の会社員の男性(32)は「ブルーインパルスがテレビの向こうの世界ではなく、本物と実感できた。航空自衛隊の存在が身近に感じられた。素晴らしい飛行技術に誇らしい思い」と話していた。(藤谷茂樹)