「殺すぞ」「今から行くからな」“新宿AV撮影部屋・死体遺棄”30代女好き容疑者が見せた狂気の片鱗とアダルト配信計画「女が絡むと変なスイッチが入って…」

「異臭がする」
東京・新宿区内にあるマンションの管理会社から110番通報があったのは、7月1日昼過ぎのこと。1K、25㎡ほどの部屋に駆け付けた警察が目にしたのは、浴室内で頭にポリ袋を被せられ、下半身がバケツに入っている男性の遺体だった――。
その翌日、住所、職業不詳の成瀬壮一郎さん(35)の遺体を遺棄した疑いで逮捕されたのは、北誠一容疑者(30)だった。全国紙社会部記者が明かす。
「北が逮捕された8日後の7月10日に、友人である梨本俊弘容疑者(31)が逮捕されました。2人は6月27日頃、遺体にブルーシートを被せるなどして隠し、遺体が見つかったマンションに遺棄したとみられている。梨本は被害者と面識がなかったが、『(北から)片付けを手伝ってほしいと言われ断れなかった』と関与を認めています」
浴室はテープで目張り、頭部は鈍器のようなもので殴られ…
6月24日午前10時頃、2人が、さいたま市内の量販店で段ボールやブルーシートを購入している姿が防犯カメラに映っていたという。購入後、遺体が見つかった新宿区のマンションへ入る2人の姿も確認されている。
「部屋には血などを拭いたような跡があり、遺体が発見された浴室は、テープで目張りがされていた。容疑者2人が量販店へ買い出しに行った24日までに成瀬さんは、死亡したとみられています。成瀬さんの頭部には、鈍器のようなもので殴られた複数の挫裂創(ざれつそう)があり、逮捕された2人が成瀬さんが死亡した経緯も知っているとして捜査を続けています」(同前)
なぜ事件は起こったのか。北と被害者は「アダルトビデオの配信を行い、一儲けしようと考えていた」という。2人の仕事について北の知人が明かす。
アダルト動画のネット販売ビジネスを画策
「2人は同人AVをネット上で配信、販売するビジネスを始めようとしていたんです。数カ月前から女の子を集め、撮影、編集など準備をし、本格的に動き出す直前だったそうです。遺体遺棄現場になった新宿区内のマンションは、AVの撮影や編集のための作業スペースとしても使われていました」
同人AVとはAVメーカーが販売する商業AVと異なり、個人の撮影者がハメ撮りなどを撮影し、FC2などのサイトで動画配信する。出演しているのは、ほとんどが“素人”の女性たちで、毎日のように動画がアップロードされている。手軽に参入できることもあり、平日は社会人として働き、休日に副業として、撮影・編集を行う人もいるという。2022年のAV新法施行後、急速に市場規模を拡大している。
「通常のAVよりもギャラや売り上げが高くなることも多く、年に数千万円稼ぐ素人女優も珍しくありません」(IT担当記者)
そんな「業界のブルーオーシャン」に飛び込もうと、準備を進めていた最中で起こってしまった今回の事件。前出の北の知人は「2人がトラブルになるなんて考えられない」と首をかしげる一方で、こんな話も明かすのだ。
被害者は「とにかくギャンブルが好きで、かなりの額を稼いでいた」
「成瀬くんは、同人AVの配信については、資金調達を担当していました。それまでどんな仕事をしていたか詳しくは分からないですが、とにかくギャンブルが好きで、かなりの額を稼いでいた。歌舞伎町ではちょっとした有名人でしたよ。いつでもギャンブルができるように常に100万円の札束を2、3個バッグにそのまま入れているというのは有名な話。北は北で、お金に困っていたとも聞くので、もしかすると、今回の事件は“金銭目的”だったのかもしれません」
パソコンが得意な北は、同人AVの編集やHP作成に携わっていたという。北について取材を進めていくと狂気の片鱗が見えてきた。
北の別の知人が話す。
「礼儀正しくて、いつも敬語を使うような腰の低いヤツっすよ。一見、小太りの好青年のように見えるんですが、女性が絡むと変なスイッチが入ってしまう。北は、女の子が大好き、というより女の子に対して妄想を膨らませるタイプなんです。北が仲良くしている女の子を勝手に『彼女だ』と言いふらし、まるで付き合っているように振る舞っていた、と聞いたこともある」
「殺すぞ」「今から行くからな」
女性の前では羽振り良く、シャンパンを入れたり、豪快に飲んでいたという。しかし、攻撃的な一面も持ち合わせていたと知人は続ける。
「女の子とトラブルになったとかで、北が『殺すぞ』『今から行くからな』と女の子のSNSに脅迫メッセージを送りつけているとか聞いたことがあります。二重人格というか、普段は揉めるようなヤツじゃないのに女、金、酒が絡むと人が変わっちゃうんですよ」
果たして2人のあいだに何があったのか。現在、被害者のスマホなど一部所持品が見つかっておらず、警察は、強盗殺人を視野に入れて捜査を続けている。
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文春リークス: https://bunshun.jp/list/leaks
(「週刊文春」編集部/週刊文春)