暗号化データ復元 ランサムウエア対策で新ツール開発 警察庁

警察庁は17日、身代金要求型のコンピューターウイルス「ランサムウエア」により暗号化されたデータを復元するツールを新たに開発したと発表した。警察庁による復元ツールの開発は2例目。欧州刑事警察機構(ユーロポール)などが運営する被害者支援サイトを通じ、無料で利用できる。
復元ツールは、2018年以降に22カ国で少なくとも2000件の被害が確認された「Phobos(フォボス)」と「8Base(エイトベース)」に対応する。国内では、企業や病院、地方公共団体など約90件の被害が確認されている。
警察庁によると、フォボスを販売する犯罪集団の捜査で、米連邦捜査局(FBI)がデータを押収。それを警察庁サイバー特別捜査部が活用して開発した。
復元ツールを利用できる支援サイトの名称は「No More Ransom」で、日本語でも対応。警察庁のホームページでも公開している。暗号化の際にデータが壊れていなければ、ほぼ復元できるとされる。
サイバー特別捜査部は24年2月にも、ハッカー集団「ロックビット」が使うウイルスに対応した復元ツールを開発したと明らかにしている。【山崎征克】