上皇さまが東大病院を退院 新たな内服薬の量を調整

心臓の筋肉への血流が不十分となる「無症候性心筋虚血」などの新たな治療のため、東京大病院(東京都文京区)に入院していた上皇さま(91)は18日、退院された。心臓への負荷を和らげる新たな内服薬の量を調整する目的で14日から入院していた。
上皇さまは2012年に心臓を取り巻く冠動脈のバイパス手術を受けており、22年には三尖弁(さんせんべん)の閉鎖不全による右心不全と診断された。今年5月の検査入院では自覚症状がないものの、一定以上の運動負荷で心筋への血流が不十分となる無症候性心筋虚血の診断を受けていた。
上皇さまはその後、冠動脈の血流を改善する薬を服用。筋力維持のための運動の量や時間は減らしていたが、心筋虚血の症状は十分に改善されず、内服薬の追加を主治医らが決めた。
新たな内服薬は徐脈や不整脈などの副作用が出る可能性があるため、入院して心電図などを確認しながら投与量を調整していた。
上皇后美智子さま(90)は連日、東大病院に通い、退院時も上皇さまに付き添った。【高島博之】