箸にも棒にもかからなかった。一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった石丸伸二氏の政治団体「再生の道」。参院選で計10人の候補を擁立したが当選者はゼロだった。石丸氏本人はきのう(20日)の記者会見で「再生の道としてできることはしっかりと全部できた」と発言したが、次点だった昨年の都知事選で見せた余裕の笑みはなかった。
昨年知事選で石丸氏を支援したものの、離反した政界関係者は言う。
「今回、参政党が躍進し、AIエンジニアの安野貴博氏が代表の『チームみらい』に日本保守党も議席を獲得。新興政党に注目が集まる中、石丸新党は埋没していた。先月の都議選でも42人を擁立したのに当選者はゼロ。すっかり飽きられてしまったようです」
選挙戦最終日の19日にJR赤羽駅で行った街頭演説には、「2ちゃんねる」開設者の「ひろゆき」こと西村博之氏が駆けつけたこともあり、約2000人の聴衆が集まったが、平日はお寒い限りだった。
日刊ゲンダイが14日夕、JR北千住駅で行われた石丸氏の街宣を訪れると、聴衆はわずか30人程度。都知事選では石丸氏が街頭に立てば、200~300人が集まったものだが今や昔。随分と寂しい状況だ。
演説後、その点を本人に聞くとこう答えた。
「今日は平日っすよ。むしろ(多くの聴衆が)いません? どう思いますか?」
いつもの逆質問に記者が「かつての勢いに比べると寂しい……」と言いかけると、石丸氏はかぶせるように「いやぁ、いるでしょ。どう考えたって」と発言。「ウフフフフ」と不自然な笑みを浮かべていた。
さらに、参政党の勢いについて聞くと「それは私の扱い知るところではない。国民に聞いてあげてください」と言いつつ、やはり「ウッフッフ」と笑っていた。
もはや“再生不能”か。本人は笑うしかないのかもしれない。