猛暑と晴天が続く中、各地で水不足が深刻です。宮城県のダムは、29日、貯水率がゼロになりました。新潟県では、約10万人に節水が呼びかけられるなど、生活に影響が出ています。
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29日、『news every.』は水不足が続く新潟県上越市へ。暮らしへの影響は深刻です。
上越市民
「結局、一番水が入るのは、お風呂なもんですから。トイレに使おうかなと思って。みんな災害だ災害だって」
いざという時のために、お風呂に水をためる一方。
上越市民
「おコメといだのはとっといて、花とか植木とかに入れる」
上越市は節水対象区域の10万8000人に対し、日常生活の40%以上の「節水」を呼びかけ。
上越市民
「水はいままでやり放題。そこのホースでやっていた。もう枯れてもしょうがないと思っていますわ。花どころではなくなるんでしょうね」
別の住宅でも…。
「(エアコンの)室外機から出てくる水。けっこう落ちてますよね。(水を)ためて畑にまくということをやっています」
何より住民がおそれているのが…。
「断水にはならないことを願います」
新潟県では今後1週間、雨の予報はまったくなし。
先週、市は、このまま雨が降らなければ、来月にも「断水」をするおそれがあると発表していました。
連日猛暑が続く中、市内のスーパーでは…。
水を買いに来た客
「これだけ買わないと、それでも足りないかなと思う」
水を買いに来た客
「8月になると断水になるという話も出ているので、あったら買うようにして」
断水を心配して、飲料水を“まとめ買い”する人も、
記者
「開店してから20分で水が売り切れました」
市は給水スポットを設置し、生活に必要な水を無料で提供。しかしホームセンターでは、その水を入れるためのポリタンクが品薄に。節水するため、紙のお皿も品薄となっているといいます。
節水のため紙皿を買いに来た客
「あったあった。感謝します。ありがとう」
市民生活を脅かす“水不足”。
原因は“上越市の水がめ”正善寺ダムの貯水率の記録的な減少です。例年のこの時期の貯水率は96%ほどだといいますが…。
新潟県上越地域振興局地域整備部 田口浩司副部長
「きょうの時点で(貯水率)13.5%。大変少なくなっている状況」
本来、見えるはずのない岩肌がむき出しに…。
ダムに近い上越市高田では、例年7月には200ミリほどの雨が降りますが、今年は29日まででたったの1ミリ。
影響は広がり続けていて、夏休みが始まったばかりなのに市民プールや小学校のプール8か所が営業中止。
リージョンプラザ上越 大塚啓館長
「浮輪をかついで、さあ泳ぐぞってことでお見えになった親子連れもいらっしゃいましたけど、本当に残念でなりません」
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“日本一のコメどころ”新潟県。心配なのが“新米”への影響です。田んぼを見せてもらうと…。
コメ農家 太田修二さん
「全部ひび。全部、亀の甲羅みたいになっちゃって」
水をひけず土がカラカラに乾き、ひび割れが起きている場所も。
コメ農家 太田修二さん
「これなんて枯れている。先っぽがもう」
枯れた稲は穂が出ず、コメが実らないおそれが出てきているといいます。そのため…。
コメ農家 太田修二さん
「向こうの田んぼもほぼダメかな。もう諦めようかなと。“トリアージ”じゃないけど、向こう枯れていたので」
水を入れる田んぼに“優先順位”をつけ、何とか被害を最小限に食い止めようとしています。
市は29日午後3時ごろ、会見を開き…。
「市民の皆様から節水に大変ご協力をいただいています。その効果もあらわれてきておりますし、いま断水の見込みを発表する予定はありません」
一転、断水を避けられるよう全力を尽くすと話しました。
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“水不足”は全国各地でも。
農業用水を供給する宮城県の「鳴子ダム」。連日の雨不足により、川が底を見せています。
今年は雨が少ない状態が続いていましたが、29日未明、ついにダムの貯水率が0%に。
宮城県では、稲作に多くの水が必要となる出穂期を迎えるため、通常は使用しない最低水位以下の水を31年ぶりに、緊急的に放流をする異例の事態となっています。
関東では猛暑と水不足の“ダブルパンチ”。
鈴木農園 鈴木弘晃さん
「トウモロコシに関しては一番欲しいときに水分がなかった。実が詰まってなかったり」
茨城県の野菜農園では、本来、暑さに強いはずの「トウモロコシ」がしなびてしまうほど。
関東は最近の局地的な大雨などで、現状、水不足のおそれはないものの、国交省は今後の雨次第の部分もあるため、水を大切にするよう呼びかけています。