津波警報を受けて各地で避難、岩手県宮古市の女性「14年前を思い出し心臓がどきどきする」

日本列島の太平洋側で津波警報が発表された30日朝、各地に緊張が走った。住民や海水浴客が慌ただしく高台に避難し、津波を観測した地域では自治体や警察が被害状況の確認に追われた。(釧路支局 菊池宏一郎、北見支局 佐藤一志)
30センチの津波を観測した北海道釧路市では、津波警報の発表を受けてサイレンが鳴り響き、道警のパトカーが巡回して避難するように呼びかけた。海抜約20メートルの高台には100人以上の住民らが集まり、不安そうに海を見つめた。
釧路港近くの会社から身を寄せた女性(41)は「2011年の東日本大震災で釧路市にも津波が押し寄せて車が水没した。今回も不安に思って避難した」と硬い表情で話した。水道工事を中止して同僚と避難した男性(45)は「身の安全が第一なので、警報が解除されるまではこの場にとどまりたい」と語った。
北海道東部の羅臼町でも、車で避難所に指定されている町総合運動公園に身を寄せる人の姿が見られた。子ども2人と旅行中だった静岡県磐田市の会社員女性(51)はレンタカーを運転中、国道の電光表示板で津波警報を知った。「多くの車が国道を離れて向かっていたので、こちらが高台だと思った。とにかく避難できて良かった」と話した。
東日本大震災で500人以上が犠牲になった岩手県宮古市では、避難所になっている市役所に近くの銀行の全従業員約40人が避難した。行員の男性(34)は「避難は早め早めにしないといけない。こうした緊迫した状況は久しぶりなので心配だ」と話した。
市中心部のコンビニ店のパート従業員女性(48)は、警報に切り替わった瞬間に店の鍵をかけて避難してきたといい、「アラート音が聞こえると、14年前を思い出して心臓がどきどきする」と不安げな面持ちで語った。

夏休みの行楽客でにぎわう各地の海水浴場や観光地も騒然となった。
静岡県伊豆市の土肥海水浴場では、防災無線で海岸付近にいる人たちに避難を促したほか、ライフセーバーが海水浴客らに海から上がるように呼びかけた。市は同海水浴場を遊泳禁止とした。
東京都港区のお台場海浜公園では、来園者に海岸から離れるよう園内放送で知らせ、警備員が巡回して警戒。江戸川区の葛西海浜公園は午前11時から閉園し、スタッフも全員避難した。