夏休み終わり「死にたい」子どもは4人に1人…NPO調査、「SOS発信しやすい関係作り必要」

悩みを抱えた人が集まるオンライン空間を利用する子どもの4人に1人が、夏休みが終わることについて、「死にたい、消えたいほどつらい」と感じていることが、NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」(東京)の調査でわかった。清水康之代表(53)は「夏休み明け前後は小中高校生の自殺が増える時期。SOSを出せずにしんどさを一人で抱える子どもは多く、周囲の対応が必要だ」と訴える。
アンケート調査は今月5~18日、同法人が運営するオンライン空間を利用する18歳以下を対象に行い、1186人が回答した。オンライン空間には、気持ちを書き込める「発表ルーム」や、しんどさをやり過ごす「ゲーム自習室」などがあり、悩みを抱える子どもや若者の居場所になっている。
その結果、夏休みが明けることについて、「死にたい、消えたいと感じるほどつらい」との回答割合は24%だった。「少し不安に感じる」は33%で、計6割ほどが学校の再開を悲観的に捉えていた。自由記述には「またあの地獄がくる」「いい子を演じなきゃいけない」などの回答もあった。
一方、「しんどい気持ちを身近に相談できる人」については、「いる」が20%だったのに対し、「いない」が41%。「そもそも相談しようと思わない」は34%だった。
相談しない・できない理由(二つ選択可)を尋ねたところ、「どうせ分かってもらえない」が最多の46%。「負担や迷惑をかける」が38%だった。
厚生労働省などによると、2024年に自殺した小中高校生は、過去最多の529人。09~23年(コロナ禍の20年を除く)に自ら命を絶った子どもを日別に集計したところ、9月1日の93人が最も多く、8月31日が90人で、8月下旬~9月上旬に集中している。
清水代表は、「普段から何げなく声をかけるなど、子どもがSOSを発信しやすい関係作りが必要だ」と指摘。子どもが悩みを打ち明けた時は、「話してくれたことへの感謝を伝えた上で、つらい気持ちを聞き、受け止めることが何よりも大事。対応が難しい場合には、匿名で利用できる相談窓口を伝えるのも有効だ」とアドバイスする。