倉庫にエアコン在庫山積み!なのに設置は進まないワケ 冷房文化ない北海道特有の事情とは

2025年の北海道内は最高気温が40℃に迫る地点も出るなど記録的な暑さとなりました。
エアコンの売り上げが好調だった一方で、家庭や教育現場などで設置が進まないといった現状もあったようです。
北海道ならでは理由があるようです。
(店員)「急にことし夏暑くなったじゃないですか。みんな急に来てエアコン付けたいってなるので、在庫あるものがバッとはけるんですよ」
札幌市内の家電量販店です。
真夏のピークを過ぎた道内ですが、エアコンのパンフレットなどを眺める客や、安くなった製品がないか店員と相談する客があとをたちません。
(エアコン購入を検討中の人)「これからどんどん暑さが厳しくなるんじゃないかなという心配がある。これからだったら値段的にもね、下がるかなと期待して」
エアコンの売り上げは2024年の1.3倍。
例年は5月~6月にかけて注文が増えますが、2025年は9月に入っても買い求める人が多いといいます。
(ヨドバシカメラマルチメディア札幌 湯岡永光さん)「去年もすごく暑かったので殺到したんですけれども、客足の状況は伸びていってる感じ」
北見市などでは40℃に迫る最高気温を記録。
札幌管区気象台によると、道内の主要22観測地点のうち21地点で、3か月間の平均気温が観測史上最高となりました。
道内の住宅の保有率は59%と高まるエアコン需要ですが、一方で課題もあるといいます。
(根本記者)「取付業者の倉庫にはまだ20台ほどのエアコンが積まれています。11月末にかけて設置されるということです」
札幌市内のエアコン設置業者です。
こちらの倉庫には、発注を受けたものの夏に取り付けができなかったエアコンが山積みになっていました。
これまでエアコンが普及してこなかった道内では設置業者が少ないため、作業が追いつかないといいます。
さらには北海道ならではの理由も…
(エアノート 佐藤航社長)「雪が降っちゃうと設置がなかなか難しいので、そこはやっぱり集中しちゃうので、そこでみなさん業者が少ないので、業者の取り合いになってしまう」
こうした中、新たな取り組みも。
エアコンの設置作業をしているのは旭川工業高校の生徒です。
こちらの学校には空調機メーカーからエアコンが無償で提供され、据え付け方法を学ぶ授業が始まっています。
(北海道旭川工業高校 千葉智弘さん)「油さすよ。トルクレンジ使って締めてください」
実習に悪戦苦闘しながらも、真剣なまなざしで取り組んでいました。
(電子機械科3年 中條莞太さん)「自分の選択肢が広がった気はしますね。(空調業界に)興味出ました」
(北海道旭川工業高校 千葉智弘さん)「実際手に触れて据え付けするという作業が今後の進路活動にプラスになるかな。エアコンの担い手が不足しているので、ぜひそういうきっかけにしてもらえたらなと」
猛暑の影響でエアコンの需要が高まる中、設置する側の体制をどう整えていくのかが重要となりそうです。