台風15号、太平洋側を東進=四国から関東―線状降水帯発生、静岡県で突風被害

台風15号は5日午後、静岡県沿岸から房総半島南部にかけて、速度を上げて東へ進んだ。静岡、神奈川両県では線状降水帯が発生し、静岡県では1時間雨量が110~120ミリの記録的短時間大雨情報が相次いで出された。15号は午後9時に房総半島の東方沖で温帯低気圧に変わったが、気象庁は、大雨になった地域では土砂災害に注意するよう呼び掛けた。
同日午前には、浜松市中央区に住む80代男性の家族から「男性が水路に落ちた可能性がある」と119番通報があった。付近の水路があふれており、近くに男性のものとみられるスリッパが落ちていたという。市消防本部が捜索している。
静岡県牧之原市では同日午後、突風で大型トラックが横転、電柱が倒壊するなどした。県によると同市内で住宅6棟が全壊、34棟が半壊した。市によると、23人が骨折するなどの重軽傷を負った。
15号は午前1時ごろに高知県宿毛市付近に上陸して太平洋沿岸を東へ進み、同9時ごろには和歌山県北部に再上陸して紀伊半島を横断。午後は静岡県沿岸から房総半島南部に進んだ。
静岡県菊川市では午後1時15分までの1時間に127.0ミリ、牧之原市・静岡空港では同1時20分ごろまでの1時間に113.0ミリの猛烈な雨が降り、いずれも地点ごとの最多記録を更新した。同県御前崎市・御前崎では同0時45分ごろに最大瞬間風速34.0メートルを観測。奈良県下北山村では同1時50分までの24時間雨量が301.0ミリに上った。 [時事通信社]