台風15号(ペイパー)は沿岸部を東進 西・東日本の太平洋側は大雨警戒

四国に上陸した台風15号(ペイパー)は、9月5日(金)5時の推定で須崎市付近を東よりに進んでいるとみられます。
太平洋側では局地的に激しい雨が降っています。今夜にかけて広い範囲で大雨に警戒をしてください。
▼台風15号 9月5日(金)5時推定
中心位置 須崎市付近
大きさ階級 //
強さ階級 //
移動 東北東 15 km/h
中心気圧 1000 hPa
最大風速 18 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 25 m/s
九州の太平洋側で400mm超の大雨
台風は今日1時頃、高知県宿毛市付近に上陸しました。今夜にかけては東海や関東の沿岸部を東寄りに進むとみられます。
今回の台風はいわゆる「雨台風」の特徴をもつと言えます。台風としての発達はさほどないものの、活発な雨雲を伴って本州の太平洋沿岸を通過する予想ですので、主に大雨への警戒が必要です。
昨日は宮崎県など九州の太平洋側で台風の接近前から断続的に激しい雨が降り、多い所では降り始めからの雨量が400mmを超えました。また、四国では24時間雨量が200mmを超えている所があります。
太平洋側の広い範囲で大雨警戒
台風周辺の活発な雨雲は九州から四国や近畿、東海に移り、未明にかけて局地的に1時間に50mm以上の非常に激しい雨が降りました。
また、太平洋高気圧の縁辺をまわる風や秋雨前線の影響で暖かく湿った空気が流れ込み、太平洋側を中心に雨雲が発達しやすくなっています。
台風の中心に近い太平洋沿岸に加え、南寄りの風が山にぶつかるような地域でも雨が強く、1時間に50mm以上の非常に激しい雨の降るおそれがあります。
今夜にかけて多い所では総雨量が200~300mmに達するとみられ、土砂災害や低い土地の浸水、都市河川の急な増水などに警戒をしてください。
線状降水帯が形成されるおそれも
気象庁は「四国地方、近畿地方、東海地方、関東甲信地方、東北地方では線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性がある」との気象情報を発表しています。線状降水帯が形成された場合には非常に激しい雨が数時間継続し、想定以上の大雨となるおそれもあります。
線状降水帯が発生しなくても雨量がかさんで大雨となることも考えられるため、線状降水帯の情報だけにとらわれることなく、避難情報等に従い適切な行動をとるようにしてください。
9月は台風の上陸が最も多い時期
平年の台風発生数
台風の発生は8月30日(土)に発生した台風14号以来5日ぶりで、今月1つめです。
台風発生数の平年値を見ると、9月の台風発生数の平年値は5.0個で、8月に次いで一年の中で2番目に台風の発生が多い時期です。一方、台風の上陸数の平年値では9月が最も多く、本土への接近数も最も多い時期となっています。
本州方面にとっては例年9月が台風シーズンのピークとなりますので、台風対策・大雨対策等を整えておくようにしてください。
台風の名前
北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風15号の「ペイパー(Peipah/琵琶)」はマカオが提案した名称で、現地で人気の観賞魚の名前からとられています。