地元「最後までやり切って」=「早く辞めるべきだ」の声も―石破氏辞任表明

石破茂首相が7日、自民党総裁の辞任を表明した。総裁選前倒しを求める「石破降ろし」の声が拡大する中での突然の方針転換。地元の鳥取県や被災地からはさまざまな声が上がった。
鳥取市に住む専門学校に通う男性(21)は「石破さんが首相になった時は県民としてうれしかった。前倒しに関する議論の結果がどうであれ、最後までやり切ってほしかった」と話した。同県倉吉市の60代会社員女性も「石破さんは昔から地元の行事に家族で来ていた。何回も握手して人柄も知っていたのに」と残念そうな様子だった。
一方、鳥取市の無職男性(85)は「7月の参院選惨敗の結果をしっかりと受け止めるべきだ。もっと早く自分から辞めるべきだった」と切り捨てた。
昨年の能登半島地震や豪雨で大きな被害を受けた石川県輪島市。地震で家が全壊した無職釜谷淳子さん(83)は「やっぱり辞めんといてほしい。思い残すことがなくなるまで頑張って」と話した。石破氏は「防災庁」創設に強い意欲を見せていたが、同市の無職女性(86)も「続投して防災庁を実現してほしかった」と残念がった。
東京電力福島第1原発事故からの復興途上にある福島県いわき市の自営業長岡裕子さん(56)は「今の政権の中ではまともだと思っていた。今後誰が政権を取るのかと考えると、辞任は大変残念」と話した。
原発事故の除染作業に伴う「除染土」を保管する中間貯蔵施設(同県双葉、大熊両町)に土地を提供した門馬幸治さん(71)は「除染土の県外再生利用が石破政権下で行われたことで県外最終処分実現への希望を感じていた」と振り返った。その上で「辞任によって事業がまた停滞するのでは」と心配そうな様子で話した。 [時事通信社]