長野4人殺害の被告、銃で自殺図り母「私が撃つ」…両親出廷し事件当日の緊迫した状況語る

長野県中野市江部で2023年5月、4人が殺害された事件で、殺人罪と銃刀法違反に問われた同市、農業青木政憲被告(34)の裁判員裁判の第2回公判が5日、長野地裁(坂田正史裁判長)であり、証人尋問が行われた。青木被告の両親が証言台に立ち、青木被告が立てこもり中に自殺を図るなど、事件当日の緊迫した状況などを語った。
青木被告は、近隣住民の女性2人と警察官2人をナイフや猟銃で殺害した後、約12時間自宅に立てこもり、自ら敷地外に出てきたところを確保された。
この日はまず、母親の証人尋問が行われた。母親は23年5月25日夕、事件発生後に自宅に戻ったところ、庭で銃を構える青木被告を見つけ、「警察の特殊部隊と銃撃戦になると思い、息子を守りたいと近くにいるようにした」と語った。母親は約3時間、青木被告と過ごした。立てこもりをやめるよう促すと青木被告は「警察に捕まると長い裁判の末、絞首刑になる。そのような死に方は嫌だ」と述べたという。銃で自殺を図ったができず、母親は「私が撃つ」といい、青木被告から銃を受け取り、そのまま避難したと述べた。
父親の証人尋問では、青木被告が敷地外に出る直前、「これから出る」と電話で伝えられたと明かした。
青木被告は大学生の頃、統合失調症を疑われたが、両親は精神科を受診させることなどはせず、「自宅に連れ帰り、家族の愛情で改善すると思った」などと話した。
10日は証人尋問に加え、被告人質問が行われる。