<独自>東北新幹線でまた感電事故、作業員1人重傷 栃木県警が捜査、JR東は公表せず

栃木県内にある東北新幹線の変電所で、JR東日本の協力会社の作業員が感電する事故が起きていたことが10日、関係者への取材で分かった。運行への影響はなかったが、作業員1人が負傷した。県警は安全管理を怠った可能性もあるとみて、業務上過失傷害の疑いで捜査。JR東は捜査中であることを理由に公表しなかった。
東北新幹線などでは昨年1月、埼玉県内の架線トラブルで大規模停電が発生。終日運休し、復旧中に作業員が感電した事故も起きており、JR東は「避けなければならない労働災害の一つとして重く受け止めている。ルールを徹底し、再発防止に努める」とコメントした。
関係者によると、2日午後11時40分ごろ、東北新幹線小山~那須塩原駅間にある変電所で停電が発生。鉄道電気工事に従事する50代の作業員が変電機器の測定中に感電したことが原因だった。作業員は全身やけどの重傷を負ったが、運行への影響はなかった。
JR東によると事故当時、屋内外を貫通する電線を壁などから電気的に絶縁する工事の準備前で、事故を目撃した人はいなかった。負傷した作業員は準備中に足場に上がり、高圧部分に接触したとみられ、県警が関係者から事情を聴き、当時の状況を調べている。
昨年1月、東北新幹線などが停電で終日運休し、復旧作業中に男性作業員が感電した事故では埼玉県警が同年7月、業務上過失傷害容疑で現場責任者を書類送検。さいたま地検は10月、不起訴処分にした。