「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断疑いの被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”

同居する交際相手の男性・Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された23歳の被告女性の初公判が9月9日、大阪地方裁判所で開かれた。事件の衝撃的な内容はもちろんのこと、Aさんが有名配信者のチャンネルに出演するなど、ネット媒体等により話題は方々に広がり大きな関心を呼んだ。
公判当日、その話題性を考慮してか、法廷前の廊下には傍聴人の列を整理するためのポールが設置され、職員が立つなどといった特別対応がなされた。開廷に先立って、弁護人から被告人に無罪推定が働く点、女性である点などを理由として、被告人の住所等を傍聴人の前で明らかにすることへの疑義が唱えられた。
公開が原則の裁判において、日々行われる裁判には女性の被告人も多数いる。この訴えは異例ではあったが、裁判所は事実上配慮という判断を行った。これにより、被告人の現住所かつ事件現場の詳細は法廷で明らかにされなかった。裁判の様子をライターの普通氏がレポートする。【前後編の前編】
猟奇的な事件内容に対し「私はやっていません」
身柄拘束された被告人は、キャラクターが描かれた長袖のTシャツを着て入廷をした。パジャマのような印象だった。顔の半分はマスクで隠れていたが、くっきりとした目元とスッと通った鼻梁から端正な顔立ちをしているのがうかがわれる。肩まで伸びている髪も一部ピン留めするなどして、整えられていた。
起訴状によると、事件当時21歳の男性・Aさんに対する、3件の傷害事件が問われていた。いずれも被告人宅でのできごとだ。
1件目はハサミで左乳頭を切断する加療10日間を要するケガを負わせた事件。2件目は斧で左薬指を切断し回復不能としたケガを負わせた事件。3件目は拳で耳や鼻付近を複数回殴打し、加療3日間のケガを負わせたという事件である。
これら事実について、被告人は1件目、2件目の事実について「私はやっていません」、3件目の事実については「Aから首を絞められたので殴り返しました。またその行為でケガを負わせたとは思っていません」と否認した。声はややか細い印象だったが、聞き取りやすく、また意思をはっきり感じた。
弁護人も被告人の主張に沿う意向を表し、3件目の事実に関しては正当防衛と、暴行行為とケガの因果関係を争う姿勢を示した。
通帳は金庫で保管、部屋にはカメラで監視
検察官は冒頭陳述によって、立証を予定している事実を詳細に述べていった。
なおあらかじめ付言するが、この後に行われた検察官の証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し「不同意」としている。被告側が同意しなければ裁判所は証拠として採用できないため、書類を作成した人や供述をした人の証人尋問をして正確性を争うことになる。すなわち、以下で報じるのは、あくまで今後、検察官が立証を目指す内容である。