自民党総裁選(10月4日投開票)を巡り、読売新聞社が実施した国会議員の支持動向調査では、小泉進次郎農相(44)が、旧派閥横断で幅広い支持を得ている実態が明らかになった。高市早苗・前経済安全保障相(64)は旧安倍派、林芳正官房長官(64)は旧岸田派を中心に浸透する中、各陣営は態度未定の議員票に狙いを定め、追い込みをかける。(長谷部駿)
「最後まで一喜一憂せず、できることは全てやる」
小泉氏は29日、東京都内で記者団に、議員票でトップとなった調査結果についてこう語り、気を引き締めた。小泉氏を支持する国会議員71人を派閥・旧派閥別でみると、無派閥が5割弱と最も多く、麻生派が2割弱、旧岸田、旧茂木両派がそれぞれ1割などだった。衆院当選5回以下の中堅・若手議員の支持は30人超で、立候補した5氏の中で最多だった。陣営幹部は「勝ち馬に乗りたい層へのアプローチが重要」と強調し、議員票の更なる上積みを図る。
高市氏は、2021年総裁選で安倍晋三元首相から全面的に支援を受けた経緯があり、今回の支持議員38人のうち、旧安倍派が5割強を占め、麻生派も1割半ばだった。
旧安倍派と麻生派で支持動向が不明な議員は30人おり、陣営幹部は「議員票は伸びしろがある」とみる一方、旧岸田、旧茂木両派に浸透しておらず、支持層の偏りが課題となっている。
林氏は、支持議員52人のうち、自身が座長を務めた旧岸田派が半数となった。衆参別でみると、出身の参院の支持が5氏の中で最も多く、4割を占めた。林氏支持の参院議員は「ダークホースとして、(上位2氏による)決選投票に進みたい」と意気込む。
小林鷹之・元経済安保相(50)は、無派閥、派閥、旧派閥からバランス良く支持を集めた。支持議員29人のうち、出身の旧二階派は2割強で、小林氏は29日、都内で記者団に「同志の力を借りて勢いを強め、追いかけていく」と支持拡大に向けた決意を語った。
茂木敏充・前幹事長(69)は29人中、自身が率いた旧茂木派が6割強に上ったものの、同派の参院議員に支持が広がっていない。9氏が立候補した前回選で茂木氏が得た議員票は34票。陣営幹部は「前回を上回りたい」と語っており、会食を重ねてきた麻生太郎最高顧問の支持を期待している。