60万人稼働の国勢調査「回答しないとブラックリストに」「記念品贈呈」不審メール出回る

居住地や就業状況を尋ねる5年に1度の「国勢調査」が始まり、調査を装って年収や貯金額を聞き出そうとする電話や、偽サイトに誘導する不審メールが横行している。総務省によると、今回の調査に伴う不審メールは「過去に類を見ないほど多い」といい、「メールで調査を依頼することはない」と注意を呼び掛けている。
総務省などによると、報告された不審メールの一つは、「国勢調査2025 ご協力のお願い(回答者に記念品をご用意)」とのタイトル。<期限内に回答すれば、記念品(オリジナルグッズ)を進呈する><記念品の内容は地域により異なる>などと記載し、オンラインでの回答先として、偽サイトのURLを貼り付けていた。
また、不審電話も相次いでいる。広島県などでは7月、「国勢調査に回答しないとブラックリストに載る」といった内容の自動音声の電話がかかってきたという。
国勢調査では、調査員や自治体職員が電話で調査の依頼をしたり、年収や預貯金、クレジットカード番号といった情報を聞き出したりすることはない。こうした電話は詐欺や強盗の前兆となるアポ電(アポイントメント電話)の可能性がある。
令和7年の国勢調査は、9月20日ごろから調査員が国内の全世帯を訪問し、直接調査書類を配布。集合住宅の場合はポストに投函(とうかん)するケースもある。
総務省によると、今回は約60万人の調査員が稼働しており、身分を証明する「国勢調査員証」を携帯している。担当者は「不審に思った場合は、居住自治体に問い合わせてほしい」としている。
不審な訪問や電話などがあった場合、消費者ホットライン(188)や、警察相談専用電話(#9110)まで。