北海道釧路市でのメガソーラー建設工事を巡って新たな動きです。
11月4日に事業者が釧路市で道のヒアリングを受け、法令違反などを是正して、工事を再開していきたいという意向を改めて示しました。
釧路総合振興局で険しい表情を浮かべていたのは、日本エコロジーの松井政憲社長。
多くの報道陣が待ち構える中、部屋に入っていきました。
4日に実施されたのは、担当職員らからのヒアリングです。
(松井政憲社長)「社会的にも大きな問題となっているので、きっちりとした説明をさせていただいて、地域と共生がとれるように図っていきたい」
大阪に本社のある日本エコロジーのメガソーラー建設を巡っては、釧路湿原周辺での工事が一時中断されています。
森林法違反に当たる伐採など3つの法令違反が明らかとなり、希少生物の調査不足も指摘され、調査が継続されているためです。
今回のヒアリングでは、道の法令が関係する部分について、工事の現状と今後の進め方について意見が交わされました。
(環境生活部自然環境局 小島宏自然環境課長)「ヒアリングでは適切に手続きが進められていると確認できました。再開していきたいという希望は聞き、(時期は)早めにという答えだった」
道としては、法令違反が是正されれば工事を止める理由はありません。
これまで国策として推し進められてきたメガソーラー。
今回の釧路での問題を受けて、国も対策に乗り出す姿勢を見せています。
高市首相は、自民党と日本維新の会の連立政権合意書に、2026年の通常国会でメガソーラーを法的に規制する施策の実行を明記しました。
そして、現在検討されているのが、釧路湿原国立公園の拡張です。
メガソーラーの建設を原則禁止する区域や届け出が必要なエリアを広げ、新たな建設を防ぐ狙いがあります。
環境省によりますと、2026年度末を目指して地元自治体との協議を進める方針です。
しかし、すでに建設されたメガソーラーについては規制の対象外になるとみられています。
4日、およそ1時間半におよんだヒアリングを終え、松井社長はー
(松井政憲社長)「(関係機関と)これから協議をして、しっかり誤解を払拭していきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いします」
(記者)「世論の逆風が吹いている中ですが、どうして続けたいのでしょうか」
その問いに答えることはありませんでした。
釧路湿原国立公園のすぐそばで行われているメガソーラー建設工事はこのまま再開されていくのか。
事業者の対応を待つしかないのが現状です。