「1票の格差」が最大3.13倍だった7月の参院選は投票価値の平等に反し違憲だとして、升永英俊弁護士らのグループが選挙無効を求めた訴訟の判決が4日、広島高裁松江支部であり、寺本昌広裁判長は「違憲状態」と判断した。選挙無効請求は棄却した。
二つの弁護士グループが全国14の高裁・支部に計16件の訴訟を起こしており、「違憲状態」は4件、「合憲」は4件となった。
最高裁が合憲とした2022年の前回参院選から制度の見直しはなく、格差が最大3.03倍からやや拡大したことの評価が焦点だった。
寺本裁判長は3倍程度の格差が9年間にわたって継続しているとして「是正すべき責務を国会に課すことが相当だ」と指摘。一方で「合理的な成案に達するにはなお一定の時間を要することが見込まれる」として、違憲状態にとどめた。 [時事通信社]