市民賛成でも「過大なカフェ不要」 公園再整備で懇談会が提言 静岡

静岡市葵区の城北公園の再整備の在り方を話し合ってきた市の懇談会が10月30日、意見をとりまとめた提言書を難波喬司市長に提出した。焦点になっていたカフェについては過大なものは不要とし、駐車場は「原則園外で整備する」という方向性の提言になった。
同公園は1985年、移転した静岡大跡地に開園。約6万平方メートルの敷地には日本庭園や大きな花時計、災害時の避難場所となる約1万平方メートルの広場などがあり、市中央図書館も併設している。市が進めようとした、スターバックスコーヒーの出店や、園内駐車場の新設、それに伴う樹木の伐採などに地元住民らから反発の声が上がり、住民訴訟(静岡地裁が棄却し確定)も起きている。
懇談会は、こうした経緯から広く市民の意見を取り入れようと、地元住民のほか公園を利用する団体や街づくりNPO法人のメンバーら約15人が参加して今年2月から5回の意見交換を行ってきた。
市は懇談会開催に先立つ昨年秋に市民アンケート(回答2774件)も実施。結果はカフェや駐車場の設置に、地元住民も市民全体でも7~8割が賛成だったが、懇談会の提言書では、カフェについては「過大な箱物施設は造らない」としたうえで小さな売店やキッチンカーなどの選択肢を示すにとどめた。駐車場については、広域からのアクセスや車椅子の利用者などに配慮して必要性は認めつつも、園内整備は最小限にすることを求めた。
難波市長は「提言は両論併記で、何を優先してほしいかは市民一人一人によっても違う。みんなが『これならばいいだろう』と思えるような案を作り、改めて懇談会に示したうえで進めていきたい」と語った。【丹野恒一】