福井知事が辞意表明=セクハラ疑い、複数職員に―「県政混乱抑える」と説明

福井県の杉本達治知事(63)は25日、県庁で臨時記者会見を開き、辞職する意向を表明した。杉本氏を巡っては、セクハラに当たる不適切な内容のテキストメッセージが送られてきたとして、職員が県の外部窓口に通報し、県が調査していた。杉本氏は、通報があった職員だけではなく、他の職員にも同様のメッセージを送ったと認めた上で「県政の混乱を少しでも抑え、一日も早く新しい体制で県政を再始動していただくため、知事の職を辞する」と述べた。
公職選挙法の規定では、辞職の申し出を受けた議長が選挙管理委員会に通知した翌日から50日以内に知事選が行われる。杉本氏は出直し選挙への出馬を否定した。
杉本氏は会見で「通報した人、私の言動により深く傷ついた方々に、深くおわびする。県民、県議、県職員の信頼を大きく損ね、心から謝罪する」と語った。宮本俊議長への辞職の申し出は近日中に行うという。これに関連して、宮本氏は取材に対し「本人が辞めたいと言うなら、分かりましたとしか言えない」と述べ、申し出を受け入れる方向で調整する考えを示した。
県は通報先からの報告を受け、5月から内部調査を行い、9月からは特別調査委員として弁護士3人が事実関係を調べてきた。10月には通報があったことを県が公表し、この他に同様の事案がないか確認するため職員約6000人を対象にアンケート調査をしてきた。人事課によると、調査委員らは来年1月以降に結果を公表する見通し。
杉本氏は総務省出身で、2019年の知事選で初当選し、現在2期目。 [時事通信社]