380キロの“メタボ”ヒグマを捕獲 北海道・苫前で箱わな荒らしか

北海道苫前町で25日、体重380キロの雄のヒグマ1頭が金属製の箱わなにかかっているのが見つかり、駆除された。このわなを揺らす巨大グマの姿が12日に確認されており、地元猟師らは体格から同一個体とみている。
苫前町猟友会によると、捕獲されたヒグマは体長1・9メートル、足裏の幅17センチ。体つきは丸々と太った“メタボ体形”だった。
町内ではデントコーン畑が荒らされ、人家の周りに足跡が残るなどしていた。このため猟友会が11日にわなを設置。12日にヒグマがわなを左右に揺さぶり、中に仕掛けられたシカ肉を振り落として食べる様子がセンサーカメラで撮影されていた。その際、箱わなの一部がへし曲げられていたが、猟友会が補修した。
雪の上に残ったヒグマの足跡は山奥へと消えていたが、24日夕、猟友会が箱わな内に新鮮なシカ肉を設置し直すと、25日朝にわなに捕らえられているのが見つかった。
当時、幅80センチのわなの中で体を窮屈そうに伏せ、毛が両サイドの隙間(すきま)からはみ出ている状態で、5メートル以内に近づくとうなり、牙をむいて威嚇したという。ヒグマはその場でハンターによって駆除された。
苫前町猟友会会長の林豊行さん(76)は「近所の農家から感謝されたが、まだ町内のヒグマが全頭いなくなったわけではない。引き続き町民には気をつけてほしい」と注意を呼びかけている。【伊藤遥】