前橋市の小川晶市長(42)が、既婚の男性職員とホテルに10回以上行った問題を受けて27日に辞職する見通しとなった。市議会の辞職要求に応じることになった形で、27日の本会議で同意されれば、50日以内に市長選が行われる。市長選に向けた動きも活発化しそうだ。
「不信任決議案が出る前に政治家は出処進退を自分で決断すべきだ」
市議会の富田公隆議長は25日、市内で記者団に述べ、小川市長から退職願を受け取ったことを明かした。
富田議長によると、同日午後5時頃、市議会庁舎を訪れた小川市長から退職願を手渡された。富田議長は「しっかりお預かりする」と伝えたという。26日の各派代表者会議と議会運営委員会で取り扱いを協議する。
この問題を巡っては、最大会派の前橋高志会を含め、市議会の8割超を占める7会派(32人)が13日、辞職しなければ27日に不信任案を提出する方針を伝えていた。小川市長は態度を明らかにしない一方、出直し選への意欲は繰り返し示していた。
小川市長は不信任案を提出される前に、自ら辞職を選んだ。辞職を求める動きは市議会以外でも起きており、市民有志が23日に市内で開いた「前橋の名誉回復への市民集会」には、自民系の前橋高志会と前橋令明、公明市議団の市議が登壇。元市議会議長の阿部忠幸・実行委員長は「思いを真剣に受け止めていただきたい」などと述べていた。
24日には共産党市議団が市民集会を開き、近藤好枝団長が「自ら招いた不祥事に真摯(しんし)に向き合い、直ちに辞職すべきだ」と述べた。市長選への候補者擁立も検討するという。
小川市長の辞意について前橋令明の小渕一明幹事長は25日、記者団に「2か月間、停滞する前橋を見てきたので、第一歩を踏み出せた。早めの決断で良かった」と語った。保守系会派も、過去の市長選での分裂を踏まえ、一本化を目指して候補者擁立を進める方針だ。