全日本空輸(ANA)は29日、欧州の航空機大手エアバスの主力旅客機A320シリーズでソフトウェアの不具合が判明し、更新作業に伴って国内線95便が欠航、約1万3200人に影響が出たと発表した。作業は30日朝までにほぼ終える見通しだが、同日も6便が欠航する見込みだという。
A320シリーズを巡っては、エアバス社が太陽放射によって飛行を制御するのに必要なデータが破損する恐れがあると発表。欧州航空安全庁(EASA)がソフトの更新を求める「耐空性改善通報」を出した。ロイター通信によると、対象機は世界で運航するA320シリーズの半数にあたる約6000機に上る。
全日空は対象となるA320型とA321型を計34機保有している。スターフライヤーと格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションにも対応が必要な機体があったが、運航に大きな支障は生じなかったという。日本航空は対象機を保有していない。
全日空機が発着する羽田空港の第2ターミナル(東京都大田区)では29日、振り替え便の手配や料金の払い戻しを受ける専用窓口が設けられ、利用客が長蛇の列をつくった。都内に住む会社員(29)は、友人の結婚式に向かうための便が欠航となり、「お祝いしたかったのに」と肩を落としていた。
A320シリーズは1988年に運航を開始。今年初めて競合する米国のボーイング737を抜き、世界で最も売れた航空機となったが、米ジェットブルー航空の機体が10月30日、メキシコ湾上空で突然急降下するトラブルを起こしていた。