同居男性の死亡を確認後、ATMで出金してから119番通報…福岡市西区64歳男性暴行死事件 「まことに身勝手」55歳男に懲役8年【判決詳報】

2025年1月、福岡市西区にあるマンションの一室で同居していた64歳の男性に暴行を加え、死亡させた西本勝被告(55)の裁判。
福岡地裁は「本件のような苛烈な暴行に及ぶのはあまりに短絡的に過ぎる」「死亡に至るまでうめき声が漏れ出るほどの身体的苦痛を相当長時間にわたって余儀なくされた被害者の苦痛や無念の思いの程度は計り知れない」として西本被告に懲役8年の判決を言い渡した。
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裁判所「本件のような苛烈な暴行に及ぶのはあまりに短絡的に過ぎる」
11月19日の判決で福岡地裁(岡本康博裁判長)は、犯行に至る経緯について

「本件犯行に至るまでの西本被告と馬場さん同居生活は互いに利益を享受し合ういわば持ちつ持たれつの関係であった」

としたうえで

「そのような関係を前提とすれば、本件暴行のきっかけとなった馬場さんの態度等に対して西本被告人が立腹することには一定の理解ができないではないものの、本件のような苛烈な暴行に及ぶのはあまりに短絡的に過ぎる」

と判断した。
前科・前歴に言及し「規範意識は希薄、厳しい非難を免れない」
福岡地裁は西本被告の傷害の前科、暴行の前科に言及したうえで

「馬場さんの言動に対し西本被告なりの言い分はあるとしても、本件以前にも複数回にわたって被害者に暴力をふるっていたこともうかがわれ、この種の事案に対する規範意識は希薄であるといわざるを得ず、厳しい非難を免れない」

と述べた。
また、被害結果の重大性については

「死亡に至ったその結果が重大であることはいうまでもなく、死亡に至るまでうめき声が漏れ出るほどの身体的苦痛を相当長時間にわたって余儀なくされた馬場さんの苦痛や無念の思いの程度は計り知れない」

と厳しく指摘した。
犯行後の対応に「まことに身勝手というほかない」
福岡地裁は西本被告の犯行後の対応について

「どんなに遅くとも1月15日の朝の時点では馬場さんの容体が異常であることを認識していたのに何らの措置を講じなかったにとどまらず、同日夕方に馬場さんの死亡を認識しても先の身体拘束の可能性を見据えてATMで出金してから119番通報を行うなど自身の都合を優先した行動を執っている。まことに身勝手であるというほかない」

と厳しく指摘した。
被告に有利な事情も考慮 懲役8年判決
福岡地裁は西本被告に有利な事情として以下の点を挙げた。

・事実を認めていること

・深まりは見られないものの一応反省の弁を述べていること
福岡地裁はこれらの事情も考慮し、西本被告に懲役8年の判決を言い渡した。

(検察側の求刑:懲役10年)

(弁護側の科刑意見:懲役5年)
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