昨年10月の衆院選に関する林芳正総務相(山口3区)陣営が支払ったとする労務費を巡り、神戸学院大の上脇博之教授が1日、陣営の出納責任者(69)に対する公職選挙法違反(買収など)、有印私文書偽造・同行使両容疑の告発状を広島地検に送付した。
告発状では、出納責任者が昨年10月、運動員10人に選挙運動の報酬として、労務費名目で計約18万円を支払ったと主張。また、山口県山陽小野田市の5人について、ポスターの維持管理の労務を行っておらず、報酬の授受もないにもかかわらず、領収書に署名し、労務費を払ったと選挙運動費用収支報告書に虚偽記入した、などとしている。
林氏の事務所は「告発に係る事実関係を把握していないため、コメントは控える」としている。
収支報告書によると、林氏の陣営は昨年10~11月、約270人に労務費として計約316万円を支出。支払先として領収書に記載された同市の7人が取材に「領収書に身に覚えがない。報酬も受け取っていない」と証言している。