今年話題を集めた言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2025T&D保険グループ新語・流行語大賞」では、トップテンの一つに「オールドメディア」が選出された。この言葉を使って情報発信してきた参院議員で環境副大臣の青山繁晴氏が表彰式で登壇し、「情報というものの根本、あるいは情報で成り立つ民主主義の根本をみんなで考えてくれるきっかけになればいい」と受賞について感想を述べた。
「オールドメディア」は、新聞やテレビなどの既存メディアを指す言葉として青山氏が発信してきた。特に今年になってからはインターネットなどの「新しいメディア」と対比する形で、広く使われるようになっている。
主催側は受賞理由として「このところの選挙で影響力があるのはSNSであり、新聞・テレビは今や不要のオールドメディアとの論評が出回るようになった」と講評した。その上で「SNSには宣伝媒体の面もあり、宣伝・広報戦略で商品を話題にして売り上げにつなげようというのは広告業界のセオリー」だと指摘。「SNSの熱狂に流されることなく、オールドメディアとの違いを見分ける力をつけたい」と警鐘を鳴らした。
表彰式で青山氏は「(既存メディアに対する)批判や皮肉で申したのではない」「ニューメディアという言葉との対比で言ったのではない」と前置きしつつ、十数年前からこの言葉を発信してきた経緯を説明。自らのもとを訪れる若手記者らに対し、新聞やテレビなどのメディアが時代の進展とともに迎える危機に立ち向かうなかで、報道の使命を考えてほしいという意味を込めて提示した言葉だったと明かした。
さらに「インターネットは情報の民主化である」と位置づけ、既存メディアがインターネットと共存するなかで「オールドメディアからは良い意味で『オールド』が取れればいい」と今後に期待を込めた。
青山氏は共同通信社出身で、政治部などで記者を務めた。