自民党と連立を組む日本維新の会が、「排外主義」の参政党に急接近している。
自民と維新が5日に国会提出した衆院定数の削減法案。与党は衆院で過半数に達したが、参院では「少数与党」状態のまま過半数に6議席足りないため、成立にこぎつけようと15議席を持つ参政に声をかけたのだ。
参政の神谷氏との直接交渉を行ったのが、維新の藤田共同代表。4日に神谷氏と面会し、法案の共同提出を呼びかけた。7日配信の時事通信の記事によれば、藤田氏は「定数削減法案の提出を8日に遅らせてもいい」とまで言って協力を要請。結果的に参政は共同提出には加わらなかったが、神谷氏は「藤田氏とは信頼関係がある」と話し、なお維新との連携に意欲を示しているという。
■同じ「政治塾」出身
「2人は自維連立発足後、水面下で接触を繰り返し、協力の可能性を模索してきました。共通点は、東洋・日本思想家の林英臣氏が設立した政経塾の出身ということです。林氏は松下政経塾1期生で、高市さん本人や、彼女のシンパの山田宏参院議員は松下塾の後輩に当たります。林氏の塾には自民党の杉田水脈元衆院議員や、夏の参院選で日本保守党から出馬し落選した小坂英二氏も在籍。中には立憲民主党の議員もいますが、ほとんどは保守系政党の政治家ばかり。林氏も保守思想の持ち主です」(官邸事情通)
高市首相に杉田氏とは随分と濃いメンツ。信頼関係がある藤田氏と神谷氏も、やはり相当、右寄りな思想の持ち主ということだ。
「神谷さんは言わずもがなですが、藤田さんもかなりの右派思想です。ヤバい一端が見えたのが、公設秘書への公金還流疑惑を報じた『しんぶん赤旗』への切れっぷり。会見では『赤旗は公平性を重視する報道機関ではない』『共産党のプロパガンダ紙』とこき下ろし、担当記者の名刺の写真をSNSでさらし上げた。共産党へのアレルギーは相当なもので、下手な自民議員よりも激しい」(永田町関係者)
言論弾圧を懸念
神谷代表は定数削減法案に賛成する条件として、日本国旗の損壊行為を処罰する「日本国国章損壊罪」を盛り込む刑法改正案やスパイ防止法案への協力などを提示。いずれも自維の連立合意文書に明記されており、藤田氏は「可能であれば連携したいという趣旨の意見交換をした」と前向きだ。「ブレーキ役」だった公明党と別れた自民にとって、連立を組んだ維新は「アクセル役」となると解説されているが、今後、協力する可能性がある参政は、さらなる右旋回への「ブースト役」になるのではないか。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「参政は、自民や維新ですら言いづらい過激な政策を打ち上げるので、彼らの協力は軍国化を進めたい高市政権にとって、ありがたいでしょう。しかし、『現代の治安維持法』と呼ばれるスパイ防止法は言論を弾圧し、日本国国章損壊罪は『国旗を破る』という行為を伴う反戦運動を取り締まる根拠になり得ます。これでメディアまで抑えてしまえば、完全に戦前回帰です。3党による協力は非常に危険です」
キナ臭くなってきた。
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小泉進次郎防衛大臣が「死の商人」として旗振り役を買って出た。日本国憲法では武器を捨て、対話で紛争を解決することが基本原則のはずだが……。●関連記事【もっと読む】『小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明』で詳報している。