冷凍庫に長女の遺体20年、母親に執行猶予付き判決…「死亡した夫が2005年に殺害」認定

茨城県阿見町の自宅で20年間、冷凍庫に長女の遺体を隠したとして死体遺棄罪に問われた同町の被告の女(76)に対し、水戸地裁土浦支部(朝倉静香裁判官)は18日、拘禁刑1年、執行猶予3年(求刑・拘禁刑1年)の有罪判決を言い渡した。長女が亡くなった経緯については、今年9月に死亡した夫が当時に殺害したと認めた。
判決によると、被告は2005年7月16日頃、自宅で長女(当時29歳)が夫に殺害され、死亡しているのを確認しながらも、遺体を同月31日頃まで自宅の押し入れに、今年9月23日までは冷凍庫にそれぞれ隠して放置し、遺棄した。
朝倉裁判官は、被告は母親として長女の遺体を適切に葬祭すべき立場にあったとし、犯行は「死者に対する宗教的感情を著しく害する悪質な行為」と指摘。一方、長女には家庭内暴力など問題行動があり、「夫が殺害について捜査機関に申告しようとしたが、義母に止められ、被告はやむなく隠し続けようと考えた」などと同情すべき事情を認め、執行猶予付きの判決が妥当とした。