【AFP=時事】高市早苗首相は20日、中央アジア5か国との初めてとなる首脳会合に臨み、資源豊富な同地域での影響力を競う中、5年間で総額3兆円規模となる事業プロジェクトの実施目標を発表した。都内で行われたガザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの指導者との会合を終えた後の共同声明では、「中央アジアにおいて、5年間で総額3兆円というビジネスプロジェクトの目標を設定した」と述べられた。米国や欧州連合(EU)と同様に、日本も中国への依存を減らして希少資源の供給源を多様化するため、中央アジアの膨大ながら未開発の天然資源に注目している。声明は「豊富な資源およびエネルギー源に恵まれた中央アジアが、グローバルな経済的強靱(きょうじん)性を高めるために、国際市場へのアクセスを拡大すること」が重要であるとし、「重要鉱物のサプライチェーンの強化」に向けて協力を進めることで一致するとともに、経済成長および脱炭素の実現を誓った。5か国の首脳は今年、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領や中国の習近平国家主席、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長とも個別に首脳会談を行っている。旧ソ連の共和国は依然としてロシアを戦略的パートナーと見なしているが、ウクライナへの侵攻により警戒感を強めている。レアアース以外にも、カザフスタンは世界最大のウラン生産国であり、ウズベキスタンは巨大な金埋蔵量を持ち、トルクメニスタンは天然ガスが豊富となっている。山岳地帯のキルギスとタジキスタンでも新たな鉱床が開発されつつある。【翻訳編集】AFPBB News