「子ども支援金は独身税」批判も 説明不十分、理解進まず

「子ども・子育て支援金」は「社会全体で子育て世帯を支える」という考え方に基づき、幅広い世代や企業に負担を求める。だが政府による説明は十分とは言えず、理解は進んでいない。使途が子育て支援に限られるため「単身の人は恩恵を受けられない『独身税』だ」との批判も根強い。政府は来年4月の徴収開始に向け広報活動を強化する方針だ。
「徴収が始まったら住民から多数の苦情が寄せられる恐れがある」「国の情報発信が不十分だ」。26日午後、支援金制度に関するこども家庭庁の会議。徴収業務に携わる自治体や健康保険組合の関係者が口々に政府の説明不足を批判した。
政府は「子どもは将来、社会保障制度の担い手になる」として社会全体で支える意義を強調する。これに対し、子どもを持たない人や子育てを終えた高齢者らには直接的な恩恵がないとして、交流サイト(SNS)では「独身税だ」との声が上がり、野党も「事実上の増税だ」と批判する。
こども家庭庁の幹部は「一般の人には分かりづらく、説明が難しい」と頭を悩ませる。