生活保護、再度の減額改定 政府方針に原告側が不服申し立てへ

国が過去に実施した最大10%の生活保護費の減額を違法として取り消した最高裁判決を巡る対応で政府が再度の減額改定をすることに対し、訴訟の原告団は8日、自治体に生活保護法に基づく不服審査請求を申し立てる方針を固めた。
関係者によると、原告以外の受給者にも呼びかけ、1万人規模による申し立てを目指す。申し立てが棄却や却下された場合、減額改定の取り消しを求めて提訴することも視野に入れる。
国は2013~15年、生活保護費のうち食費や光熱費などに充てる「生活扶助」の基準額を減額した。この際に用いた物価の下落率を基にした「デフレ調整」について、最高裁は昨年6月、国の専門家部会に諮られていないなどとして違法と判断し、減額を取り消した。
判決を受け、厚生労働省は判決で適法とされた生活保護世帯と一般の低所得世帯の生活費を比べて見直す「ゆがみ調整」を再度実施した上で、当時の低所得世帯の消費実態を基に2・49%の減額調整を行う対応方針を決めた。訴訟の原告には新たな減額調整分を「特別給付金」として別途積み増して給付する。
原告側は、最高裁判決が取り消した減額よりも前の基準との差額を支給するよう求めており、反発している。原告団は8日のオンライン会議で国の方針に対して不服を申し立てる方針を確認した。
原告らは申し立ての理由として、再度の減額は生活保護法が禁じる「不利益変更の禁止」に当たるほか、紛争の蒸し返しになるとしている。【肥沼直寛】