セクハラ問題をめぐり辞職した福井県の杉本前知事に対する調査結果が公表されました。複数の女性職員に執拗(しつよう)に性的関係を迫るなど、セクハラを裏付けるメッセージはあわせて約1000通にのぼるということです。
7日、怒りをあらわにしたのは、福井県の鷲頭美央副知事。
福井県 鷲頭美央副知事
「調査報告書が認定した事実というのは明確なセクシュアルハラスメントであり、決して許されるものではございません。ハラスメントの防止を率先して実践すべき立場にあった者による執拗(しつよう)かつ長期間にわたる行為であったということにつきまして、強い憤りを禁じ得ません」
約3時間続いた会見で、非難の言葉が向けられたのは、杉本達治前知事(63)です。
福井県 杉本達治前知事(63)(先月)
「私の不適切な言動により被害に遭われた、そして深く傷ついている方に心から謝罪を申し上げます」
去年4月、県外部の窓口に、部下の女性からセクハラを訴える通報が寄せられ、先月、責任をとって辞職していた杉本前知事。
7日、“セクハラ問題”に関する調査結果が公表され、部下の女性職員4人に対するセクハラが認定されたことが新たに分かりました。
特別調査委員 河合健司弁護士
「被害者の人数は通報者と合わせて4名」
さらに報告書で明らかになったのは、部下の女性に送られていた“不適切なメッセージ”の数々。
「愛してる」
「キスしちゃう!?」
「ぼくは○○ちゃんのお尻から太ももが大好きだから」
こうしたメッセージは約1000通にのぼるといいます。
ほかにも、写真を送るよう迫るメッセージや…。
「○○ちゃんのお写真を希望します 送ってね」
執拗(しつよう)に迫るようなメッセージも。
「いくら口説いても会ってくれないけどずーっと、ずーっと、追っかけをするからね」
「ぼくはいっぱい誘うし際限はないし、○○ちゃんの思いとは違うと思うよ(笑顔の絵文字)」
こうした被害者を苦しめ続けた“不適切なメッセージ”は、長期間、そして時間を問わず繰り返されていたといい、ときには身体的接触もあったといいます。
今回明らかになった、杉本前知事による複数の女性職員に対する不適切なメッセージ。
「眠れなくなったかも」
「放置プレイかぁ」
「○○ちゃん眠れないよぉ」
「○○ちゃん助けて!!」
深夜に送られてくることもあり、受信のたびに起こされるため被害女性は眠たいあまりに諦めて、返信していたといいます。
さらには認定されたセクハラ行為はメッセージだけでなく“身体的な接触”を伴うものも。
被害女性が杉本前知事の誘いを断り切れず、入った飲食店でのこと。二人がけソファに横並びに座らされると、「触っていい?」と杉本前知事に太ももを触られたといいます。
ほかにもスカートの中に手を入れ太ももを触るなど、体を触るセクハラ被害は計3件は確認されていて、報告書はストーカー規制法や刑法の不同意わいせつ罪に抵触する可能性も指摘しています。
去年11月、辞意を表明した際の会見では…。
福井県 杉本達治前知事(去年11月)
「軽口だとか少しふざけたつもりで書いていたことが元々あった。そういうことがいま見ればセクハラだったんだと強く認識した」
“当時セクハラの認識はなく、聞き取りを受けてセクハラを認識した”と説明していました。しかし…。
「確かに、これはセクハラだよね」
「セクハラって怒らない?」
杉本前知事が被害女性に送ったメッセージには、セクハラを認識しているような文言も確認できます。
報告書を受けて、杉本前知事はコメントを発表。
福井県 杉本達治前知事
「自らの愚かさ卑劣さを痛感しております。被害者の方々の尊厳を傷つけたことであると深く反省しております。本当に申し訳ありませんでした」
組織の“トップ”が行っていたと認定された、今回のセクハラ事案。
被害女性の1人からは…。
被害女性
「庁内には知事よりも上の立場の職員がいないため、相談した場合、どのように対応されるのかが分からず、最悪の場合、もみ消されることもあると思ったから、被害を早期に訴えることができなかった」
こうした声が上がっているといいます。
報告書では、福井県の組織風土にも問題があったと指摘。
通報した被害者の女性は被害発生直後に上司に相談したものの、上司は半信半疑で受け止め、「また同じようなLINEが送られてきたらすぐに言ってほしい」と助言したのみで、ハラスメント対応をする人事課に情報が提供されることはなかったといいます。
また、事案が表に出てからも年配の女性職員から「昔はもっとひどいセクハラがあったけれど自分たちは耐えてきた」などの声が上がっていたといいます。
ハラスメントに詳しい専門家は…。
日本ハラスメント協会 村嵜要代表理事
「相談された上司が、人事部や上層部に報告することによって仕事がやりづらくなる、不利益な取り扱いが与えられるリスクすらあったかと思う。上司や同僚も精神的な負担を抱えないような体制があった方がよかった」
また、もし私たちが相談したいことがあった場合には、どうすればいいのか?
日本ハラスメント協会 村嵜要代表理事
「メッセージの証拠・音声の証拠をとにかく日々とり続けることが大切」
こう話した上で、内部通報窓口、外部通報窓口、信頼できる方に相談してほしいとしています。
(1月7日放送『news zero』より)